男脳と女脳

男脳と女脳

脳科学者の茂木健一郎

 

女性と男性の違いを書いた本と言えば、

話を聞かない男、地図が読めない女

察しない男 説明しない女 男に通じる話し方 女に伝わる話し方

などが一時期話題になったことを思い出します。

 

どちらが良い・悪いではなく、違いというものは必ず存在するため、この違いを認識しておくことが重要であると言えます。

私も、社会人になって一人目の上司は話を聞く人でしたが、二人目は忙しいことも影響してほぼ話を聞かずに結論のみを求めてきたため、その上司には経過はほぼ報告しなかったことを思い出しました。

どちらも男性ではありましたが、二人目は男性脳だったのだとこの本を読んで気づきました。

 

 

ざっくりいうと、女性脳は共感、男性脳はロジックや論理を司っています。

もちろん、仕事ではデータや数字で判断することが多いですが、一流の仕事をする人はデータのみに頼らず、感性を大事にしている人が多いです。

つまり、成功者は男性脳と女性脳のバランスが良い。ということです。

イノベーションは男脳と女脳の組み合わせ。つまりは、男女のハイブリッド化を目指すことが重要であると言えます。

これからの時代は変化の時代と言われています。

それはハイブリッド脳であれば柔軟に対応していけるのではないでしょうか。

共感力と深い専門性を掛け合わせて行くことが、これから仕事としても人生としても重要になっていくように思いました。

ハイブリッド脳には、雑談が大事だと本書には書かれています。

日本人は雑談が苦手で、ともすればサボっていると思われがちですが、

どんなに忙しい時でも雑談することは脳の健康にも良い。

脳科学でも言われているそうです。

著者がイギリスのケンブリッジ大学に行っていたとき、大学の設備で最も需要視されていたのはお茶を嗜む部屋でしたし、アメリカでも雑談の時間が設けられていることが多いと言います。

雑談に対するイメージを日本人は変えていくことも大事だと思いました。

 

 

 

最後に、私がこの本の中で一番印象に残った言葉がガラスの天井でした。

 

奇しくも、今はアメリカの大統領選挙で盛り上がっています。

4年前、ヒラリー・クリントン候補が現在のトランプ大統領に敗北した際、

ガラスの天井を打ち破れなかった。

といったことを覚えているでしょうか。

私はこの言葉が忘れられず、ジェンダー的な使われ方をするものだと認識していたのですが、この本によると脳科学では

「ガラスの天井」とは、人が無意識に作っている世界。

のことをいうそうです。

男でも女でも、人が無意識に作っている世界はあります。

人は自分の考えを基準にしていますので、自分の不得意な方の脳は疎かにしがちです。

ですが、男脳と女脳のハイブリッド脳を手に入れるためには打ち破らなければいけないもの。であることは間違いありません。

 

自分がどちらの脳が優位であるか。

を理解しつつ、不得意な方を鍛えることをしていくことは今後の人生に大変重要であると思いました。